スポンサーリンク
ニューバランス公式オンラインストア

【閾値走】ペース算出、トレーニング方法とその効果は?

マラソンの記録を向上させるための重要な3要素

最大酸素摂取量(VO2Max)
ランニングエコノミー
LT(乳酸性作業閾値)

速く、楽に走るためには、これらをバランスよく効率的に向上させる必要があります。そのためには、辛いトレーニングを積むことが一つの解決策とされていますが、「効率的なきつさ」を追求するための指標として、【乳酸性作業閾値(Lactate Threshold)= LT】が存在します。今回は、LTについて詳しく探ってみたいと思います。

著者プロフィール
Mo Harunah(モー ハルナ)
PB:Full 2:53:59 (2022.3 東京マラソン2021)
Half 1:27:00(2018.11)
2021年1月、2022年1月、2年連続50代サブスリー達成。

閾値とは?

よく見かけるこのワード、読めない人も多いかと思います(自分もでした(^-^;))

読み方:しきいち,いきち
別名:しきい値
【英】threshold
閾値とは、ある値を境にして、動作や意味などが変わる値のことを指します。

運動中に乳酸が急激に増え、処理が追い付かなくなり始める境目、がここでいう乳酸性作業閾値(Lactate Threshold)= LT】になります。
境目以上の状態が続くと、次第に疲労が蓄積し、運動パフォーマンスが低下してきます。

「これ以上速く走ったら持たない」というギリギリの状態を20分(レース用にコンディションを整えれば60分)続けて走れるペースということです。この「これ以上」のラインが閾値となります。

つまり「めっちゃきついけど、20分は走れる」というペースです。

「めっちゃきつい」というのは感覚的なものなので、これを数値化することで、より効率的な練習を行うことができます。

閾値ペースの数値化方法

閾値ペースを数値化する方法は主に下記2通りです。

最大心拍数から算出

ガーミンなどの心拍計を使用して、自分の最大心拍数を把握します。一般的に、その数値の約90%が閾値とされています(個人差があります)。 例えば、私の最大心拍数が185〜190であれば、0.9を掛けると167〜171となります。この心拍数を目安にすることが推奨されています。

VDOTから算出

VDOTとは

VDOTとは、アメリカのオリンピックコーチであるジャック・ダニエルズ氏が提唱する、トレーニングパフォーマンスの指標です。
『ダニエルズのランニングフォーミュラ』などの参考書籍もありますので、ご参考にされることをおすすめします。


自分の数値を知ることで、練習ペースや目指すべきペースを設定することが出来ます。
自分の場合、フルマラソン持ちタイム2時間53分から算出するとVDOTは56
下記ペース表に割当てると、T(閾値)ペースは3‘56~4’00となります。

E=イージー M=マラソン T=閾値 I=インターバル R=レペティション 

VDOTEMTIIRRR5km10kmハーフフル
 /km/km1000m400m1000m200m400m800m    
307’52”6’51”6’24”2’22”67″2’16”30’40”63’46”2’21’04”4’49’17”
317’41”6’41”614″2’18”65″2’12”29’51”62’03”2’17’21”4’41’57”
327’30”6’31”6’05”2’14”63″2’08”29’05”60’26”2’13’49”4’34’59”
337’20”6’21”5’56”2’11”62″2’05”28’21”58’54”2’10’27”4’28’22”
347’10”6’13”5’48”2’08”60″2’02”27’39”57’26”2’07’16”4’22’03”
357’01”6’04”5’40”2’05”59″1’59”27’00”56’03”2’04’13”4’16’03”
366’52”5’56”5’33”2’02”5’07”57″1’55”26’22”54’44”2’01’19”4’10’19”
376’43”5’48”5’25”1’59”5’00”56″1’53”25’46”53’29”1’58’34”4’04’50”
386’35”5’41”5’19”1’56”4’54”54″1’50”25’12”52’17”1’55’55”3’59’35”
396’27”5’33”5’12”1’54”4’48”53″1’48”24’39”51’09”1’53’24”3’54’34”
406’19”5’27”5’06”1’52”4’42”52″1’46”24’08”50’03”1’50’59”3’49’45”
416’12”5’20”5’00”1’50”4’36”51″1’44”23’38”49’01”1’48’40”3’45’09”
426’05”5’14”4’54”1’48”4’31”50″1’42”23’09”48’01”1’46’27”3’40’43”
435’58”5’08”4’49”1’46”4’26”49″1’40”22’41”47’04”1’44’20”3’36’28”
445’52”5’02”4’43”1’44”4’21”48″98″22’15”46’09”1’42’17”3’32’23”
455’46”4’56”4’38”1’42”4’16”47″96″21’50”45’16”1’40’20”3’28’26”
465’40”4’51”4’33”1’40”4’12”46″94″21’25”44’25”1’38’27”3’24’39”
475’34”4’46”4’29”98″4’07”45″92″21’02”43’36”1’36’38”3’21’00”
485’28”4’41”4’24”96″4’03”44″90″20’39”42’50”1’34’53”3’17’29”
495’23”4’36”4’20”95″3’59”44″89″20’18”42’04”1’33’12”3’14’06”
505’18”4’31”4’15”93″3’55”43″87″19’57”41’21”1’31’35”3’10’49”
515’13”4’27”4’11”92″3’51”42″86″19’36”40’39”1’30’02”3’07’39”
525’08”4’22”4’07”91″3’48”42″85″19’17”39’59”1’28’31”3’04’36”
535’04”4’18”4’04”90″3’44”41″84″18’58”39’20”1’27’04”3’01’39”
544’59”4’14”4’00”88″3’41”40″82″18’40”38’42”1’25’40”2’58’47”
554’55”4’10”3’56”87″3’37”40″81″18’22”38’06”1’24’18”2’56’01”
564’50”4’06”3’53”86″3’34”39″80″18’05”37’31”1’23’00”2’53’20”
574’46”4’03”3’50”85″3’31”39″79″17’49”36’57”1’21’43”2’50’45”
584’42”3’59”3’45”83″3’28”38″77″17’33”36’24”1’20’30”2’48’14”
594’38”3’55”3’43”82″3’25”37″76″17’17”35’52”1’19’18”2’45’47”
604’35”3’52”3’40”81″3’23”37″75″2’30”17’03”35’22”1’18’09”2’43’25”
614’31”3’49”3’37”80″3’20”36″74″2’28”16’48”34’52”1’17’02”2’41’08”
624’27”3’46”3’34”79″3’17”36″73″2’26”16’34”34’23”1’15’57”2’38’54”
634’24”3’43”3’32”78″3’15”35″72″2’24”16’20”33’55”1’14’54”2’36’44”
644’21”3’40”3’29”77″3’12”35″71″2’22”16’07”33’28”1’13’53”2’34’38”
654’18”3’37”3’26”76″3’10”34″70″2’18”15’54”33’01”1’12’53”2’32’35”
※VDOT65以上は速すぎるので省略

トレーニング方法

設定したペースでトレーニングを繰り返すことにより、身体の乳酸処理能力が向上します。 余裕が生まれてきたら、VDOTを上げていくことができます。 言葉で語るのは簡単ですが、実際には身体的にも精神的にもハードなトレーニングであることは変わりません。 ここでは、昔ながらの「気合い」や根性論のような要素が必要かもしれません。

トレーニング例

VDOTが56の場合、Tペースは3分53秒/kmで【20分間走】や【5000m走】をメニューとすることになります。 慣れないうちは、10分ごとに分割したり、余裕が出てきたら設定ペースを上げてみたり、さまざまな工夫を試してみることもおすすめです。

LT閾値走の効果

  1. 乳酸の処理能力の向上: LT閾値走は、乳酸が蓄積し始める境界点を訓練するため、身体の乳酸処理能力が向上します。これにより、より高い速度や強度で運動を維持できるようになります。
  2. スピード持久力の向上: LT閾値走によるトレーニングは、スピード持久力を向上させる効果があります。つまり、より速いペースをより長く維持できるようになるのです。

LT閾値走は、レースパフォーマンス向上を目指すランナーにとって重要なトレーニング法の一つであり、定期的に取り入れることで、持久力やスピードの向上が期待できるのです。

まとめ

自分たちのような一般ランナーは、トレーニングの時間も多くとることが出来ないので、パフォーマンス向上のためには、より効率的な練習を行うことが重要です。

LT閾値走はその中でも重要なトレーニング方法の一つであることに変わりありません。ただ、それだけではなく、マラソンの3要素全体にバランスよく取り組むことも重要です。 他のトレーニングも組み合わせて自分に合ったトレーニングプランを組み立て、効果的な練習を続けることが、目標達成につながるでしょう。タイムアップを目指して頑張りましょう!

それでは!


コメント

  1. […] […]

  2. […] […]

  3. […] […]

  4. […] […]

  5. […] […]

  6. […] […]

  7. […] […]

  8. […] […]

  9. […] […]

  10. […] […]

  11. […] […]

  12. […] […]

  13. […] […]

  14. […] LT(閾値)走とは 効果とVDOTによるトレーニング方法最大酸素摂取量(VO2Max)、… […]

  15. […] LT(閾値)走とは 効果とVDOTによるトレーニング方法最大酸素摂取量(VO2Max)、… […]

  16. […] LT(閾値)走とは 効果とVDOTによるトレーニング方法最大酸素摂取量(VO2Max)、… […]

  17. […] LT閾値走とは 効果・VDOTによるトレーニング方法マラソンの記録を決める3… […]

  18. […] LT閾値走とは 効果・VDOTによるトレーニング方法マラソンの記録を決める3… […]

  19. […] LT閾値走とは 効果・VDOTによるトレーニング方法マラソンの記録を決める3… […]

  20. […] LT閾値走とは 効果・VDOTによるトレーニング方法マラソンの記録を決める3… […]

  21. […] LT閾値走とは 効果・VDOTによるトレーニング方法マラソンの記録を決める3… […]

  22. […] LT閾値走とは 効果・VDOTによるトレーニング方法マラソンの記録を決める3… […]

  23. […] LT閾値走とは 効果・VDOTによるトレーニング方法マラソンの記録を決める3… […]

  24. […] LT閾値走とは 効果・VDOTによるトレーニング方法マラソンの記録を決める3… […]

  25. […] LT閾値走とは 効果・VDOTによるトレーニング方法マラソンの記録を決める3… […]

  26. […] LT閾値走とは 効果・VDOTによるトレーニング方法マラソンの記録を決める3… […]

  27. […] LT閾値走とは 効果・VDOTによるトレーニング方法マラソンの記録を決める3… […]

  28. […] LT閾値走とは 効果・VDOTによるトレーニング方法マラソンの記録を決める3… […]

  29. […] LT閾値走とは 効果・VDOTによるトレーニング方法マラソンの記録を決める3… […]

  30. […] LT閾値走とは 効果・VDOTによるトレーニング方法マラソンの記録を決める3… […]

  31. […] ではそのためのトレーニングメニューはどんなものがあるのでしょうか。もちろん、インターバルやLT閾値走、ランニングエコノミーは重要であることに変わりないですがその他持久力を高めるトレーニングの代表的なメニューをあげてみました。 […]

  32. […] […]

  33. […] ランニング、マラソンの走力を決めるうえで重要な3つの要素①VO2Max②乳酸性作業閾値③ランニングエコノミーこの3つに沿って日々のメニューを決めています。 […]

  34. […] […]

  35. […] […]

  36. […] […]

  37. […] […]

  38. […] […]

  39. […] […]

  40. […] […]

  41. […] […]

  42. […] […]

  43. […] […]

  44. […] […]

  45. […] […]

  46. […] […]

  47. […] […]

  48. […] […]

  49. […] […]

  50. […] […]

  51. […] […]

  52. […] […]

  53. […] […]

  54. […] […]

  55. […] […]

  56. […] […]

  57. […] […]

  58. […] […]

  59. […] […]

  60. […] […]

  61. […] […]

  62. […] […]

  63. […] […]

  64. […] […]

  65. […] […]

  66. […] ランニング、マラソンの走力を決めるうえで重要な3つの要素①VO2Max②乳酸性作業閾値③ランニングエコノミーこの3つに沿って日々のメニューを決めています。 […]

  67. […] […]

  68. […] […]

  69. […] […]

  70. […] […]

スポンサーリンク
MIZUNO SHOP ミズノ公式オンラインショップ
タイトルとURLをコピーしました